福徳元年の板碑(練馬区文化財)を公開
このたび、練馬区立石神井公園ふるさと文化館で開催される企画展「石神井ものがたり」に、妙福寺所蔵「福徳元年の板碑」(練馬区登録文化財)が展示されることになりました。
板碑(いたび)というのは石碑の一種で、薄い板状の石にお経の言葉などが刻まれたもののことを言います。この板碑は室町時代のもので、福徳元年(=延徳3年、1491年)3月23日の日付と、月待供養結集の趣旨、9人の村人の名前が刻まれており、上部に三具足、左右に六地蔵菩薩が描かれています。福徳元年というのは私年号と言って、朝廷が決めた公式の年号とは違う地域独自の年号です。戦乱や災害などが続くと、息災を願って年号を変えることが昔はよくあったようです。
この板碑の存在によって、江戸時代以前の室町時代にこの地域で既に月待(つきまち)の行事が行われていたことが分かります。月待というのは十七夜、十九夜、二十三夜などの夜に人々が集まって飲食をしながら月を拝んで夜を明かすことです。風情がありますね。
1491年と言えばコロンブスの新大陸発見の前年ということになります。そう思って改めてこの板碑を見ると、やはりなんだかオーラを感じます。それからこれ、石なので、見た目以上に重いです!
この室町時代の板碑は、当時のこの地域の人々の結びつきを伝える貴重な資料とのことです。普段は非公開ですので、今回はかなり貴重な機会となると思います。
ふるさと文化館の石神井ものがたり展、皆様ぜひご覧ください。
会期:令和7年1月18日(土)〜3月16日(日)
場所:練馬区立石神井公園ふるさと文化館